お盆とお彼岸
自分がここに存在しているのは、膨大な数の先祖の方々が、絶えることなく血を受け継ぎ、そして両親がこの世に生んでくれたからこそです。
そういう意味で先祖供養とは、自分がこの世に誕生し、ここまで守り、育ててくれたすべてに対し感謝していくという心なのです。
では日本の先祖供養の伝統行事『お盆』と『お彼岸』について知っていきましょう。
『お盆』とは新暦の8月15日(地域によっては7月)を中心として行われるご先祖様の霊を迎え入れる行事と言えます。
そして『お彼岸』とは、彼岸(ご先祖様のいる世界)と此岸(私達の生きている世界)が最も近づくとされている春分の日、秋分の日を中日とした7日間に行われる行事のことです。

『お盆』と『お彼岸』は、どちらも同じ先祖供養のための行事には変わりありませんが『お盆』はあの世からこの世にご先祖様の霊魂が帰って来られます。
そのために『お盆』は先祖霊を迎える目印として玄関先や庭などで『迎え火』が焚かれます。
お盆の終わりにはあの世に戻る先祖霊をお見送りするため、同じように玄関先や庭などで送り火を焚きます。火を焚く代わりに盆提灯を灯す事もあります。
ご先祖様はいつだって様々な事故やトラブルに合わないようにとあの世から見守ってくれています。
何か一瞬の差で命が助かったとか、大きな怪我をしなくてすんだという時は「あっ、ご先祖様が守ってくださったんだな」と思ってください。
本当に側にいるのです。ご先祖様っていうのは。
あなたにも心当たりがあるのではないでしょうか?
お墓参りについて

お墓参りは、お盆やお彼岸に限らず、いつ行ってもいいのです。
お墓参りの時は、はじめに掃除をします。
お墓の周りの草を取り、墓石の汚れをタワシなどでキレイにしましょう。 清掃が終了したら墓石に水をかけ、お花やお供えを上げ、線香を上げ一礼してお参りしましょう。
お墓は、一人だけを埋葬したお墓もありますが、普通は何々家のお墓として、先祖代々のお墓に亡くなった方々が 皆一緒に眠っていることが多いです。
亡くなった方は、その先祖代々の眠ったお墓に入ることでたとえ死に切れない様々な想いがあっても 少しずつ心が癒やされ、救われていく場合もあるのです。
例えばあなたも、どうにもならない悲しみに伏している時、家族の励ましによって立ち上がることが出来た経験があるでしょう。それと同じように沢山の先祖の方々が、励まし勇気づけてくれるのです。それがお墓なのですよ。
そのようにしてくださる心優しい先祖の方々へ感謝の想いを込めてお墓参りをさせて頂きましょう。
お仏壇とお位牌について
お位牌とは、あの世にいるご先祖の方々と この世にいる子孫を結んでいる扉です。
朝、自分が一日の活動をする前に、仏壇にお水をお上げし、お線香を焚いて手を合わせ「今日も一日 宜しくお願いします。見守ってください。頑張ります」とご挨拶をしましょう。
もちろんお水とお茶でも良いです。
お線香は状況により焚かなくても良いでしょう。しかし、春と秋のお彼岸は必ず焚きましょう。
見えない世界から見ると『水』には大きな意味があります。
「命の水」と言うように、人が生きていくための水をお仏壇に上げる事で、ご先祖様は大変に喜ばれます。お水を上げる事、お線香を焚く事で あの世にいる先祖の方々と心で繋がっていく事が出来るのです。
今まで習慣でお線香を焚いていた方も、こういった意味を知れば 今まで以上に厳粛な気持ちで先祖供養をする事が出来るでしょう。気持ちが安らぐに違いありません。
お仏壇に上げた水は、毎朝ご挨拶をする時に新しい水に取替えるようにします。
そして1週間に1回くらいは、お位牌の埃を軽く払い、仏壇も柔らかい布で拭くようにしましょう。
光希美貴